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文学少女

長文になったので日記とは別のエントリにしました。
基本は「“文学少女”と神に臨む作家【ロマンシエ】下」の感想ですが
半分ぐらいシリーズ総括なのでこのタイトルで。

“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫) ”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫) “文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫) “文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫) “文学少女”と慟哭の巡礼者 (ファミ通文庫) “文学少女”と月花を孕く水妖 (ファミ通文庫) “文学少女”と神に臨む作家 上 (ファミ通文庫) “文学少女” と神に臨む作家 下 (ファミ通文庫) “文学少女”と恋する挿話集 1 (ファミ通文庫) “文学少女”の追想画廊

えーと、何から話せば良いのやら・・・。
本当はネタバレ無しでこの作品の魅力を語りたいのですが
自分の文章力じゃそれが難しいと思うので
まずは総括、そして簡単なネタバレ無しの感想、ネタバレありを追記で。

「このラノ2009」でぶっちぎりの評価を受けた“文学少女”シリーズ。
このシリーズをずっと知らなかった人も多いんじゃないでしょうか。
かくいう自分もそれなりにライトノベルを読んだりするものの
「このラノ」で初めて知ったクチです。
「2007」から入賞していたと言うのにね。レーベルの問題もあるかな?
書店に行っても電撃や角川スニーカーや富士見ばかり目が行く自分です。
最近では特設コーナーや表紙が見えるように置いてる書店も多くて
年末年始で読み切った人も自分同様に多そうです。

それとメディアミックスが皆無だったのも知名度的には大きいでしょうね。
現時点でガンガンパワードとビーンズエースで漫画化されてるとはいえ
両誌ともに、他の主要コミック誌より購読者も少ないだろうし。
普段からジャンル問わず、様々なラノベに触れてる人ならともかく
全体的な知名度は他のメディアミックスが多彩な作品に及ばないでしょう。

しかし、それでもなおぶっちぎりの評価を得たわけです。
それだけでもこの作品の素晴らしさが
多くの人に評価されているということがわかりますね。
読んでもらえればその素晴らしさはすぐ理解すると思うんですが
敢えて言葉で言うのなら”続きを読ませる”のが魅力かな。
複雑に絡み合った物語が徐々に紐解かれていく過程に驚かされ
遠子先輩の“想像”で暖かい気持ちになりました。
こういった探求心を刺激される部分が”ミステリー”と評されたのは納得です。

今までは文章についての魅力を語ってきましたが
ライトノベルと純文学の決定的な違いは“挿絵”だと思います。
イラスト担当の竹岡美穂さんの淡く透明感のあるイラストと
このシリーズのマッチと言えばもう・・・。
特に遠子先輩は言葉に出来ない魅力を見事に絵で表していると思います。
挿絵を重要だとは言いましたが、正直、この人で無ければこの本は成り立たない!
と思うことはあまり無いんですが今作は別。まるで半身のようです。

それにしてもいろいろなことを覆された最終刊でした。
ミスリードをあの時から狙っていたのかと思うと・・・。
とにかく伏線の回収と過程が絶妙でしたね。
今までのサブタイトルや経験が文中でも効果的に使われており
まさに物語の集大成、そして終わりを感じさせられちょっと切ない。
心葉は相変わらずヘタレ→前進の繰り返しではあったけど
最後には成長を見せてくれて良かった。
自分はグルメじゃないので簡単な喩えしか出来ませんが
読後感を遠子先輩風に喩えるなら、ピンクグレープフルーツのように
酸っぱさの中にも抜群の甘さがあり、それでいて後味さっぱりというか。

遠子先輩は最後まで“文学少女”でした。
この言葉に込められた想いはまさにこの作品そのもの。
そしてどのような気持ちでこの言葉をずっと紡いでいたのか。
彼女の優しさや魅力の全ては言葉で語り尽くせないほど。
愛以上の愛のために“文学少女”であり続けた人。
彼女とこの“文学少女”の物語を「忘れません―

思いついたままだらだらと感想を書いてきましたが書き足りない・・・。
どうすればこの作品の魅力を多くの人に伝えられるのか。
7〜8巻のテーマが「作家」ということもありその影響を受け
自分の拙い文章をもっと成長させたい!という想いが溢れてきますね。
とにかく色んな人に、是非読んで欲しい作品ではあるのですが
特に普段から本を読む人には読んでもらいたいですね。
個人的にも2008年で「化物語」と並び最もオススメ出来るシリーズです。

ということで以下、ウチにしては珍しい追記でのネタバレ感想



声を高らかにしてまず言いたい。

思いっきり騙されたああああ!!!

5巻の「天野遠子というのは、この世に、存在しないはずの人間なのよ」
6巻のエピローグと「忘れません―」(とついでに麻貴先輩云々)
7巻、8巻の「天野遠子は消えてしまう。」「さよなら」等など
額面通りに言葉を受け取ってしまえばバッドエンドしか見えないわけで。
いや、バッドというのには語弊があるかな。
心葉の中に大切なものを残していき消えていくのが自然かのような。
さんざん「妖怪」と揶揄されてたこともあり、本当にそんな存在なのかと。

それとやっぱり6巻のエピローグは良い意味で反則でした。
麻貴先輩は流人とくっつく以外考えられなかったし
心葉は作家になる道を選び、隣にはななせが居るものの
自分にとっての大切な人である文学少女とは共には歩けなかった。
前者はともかくななせに関してはレモンパイのこともあるし
そんな未来になったと誰だって思うじゃないか!

確かに、遠子先輩の存在の大きさは初めの方から十分伝わってきたし
心葉自身が遠子先輩が居ないとダメだということもわかってた。
けれどもそれを乗り越え、遠子先輩から卒業しななせと共に歩いていく
そう信じて疑わなかったのになぁ・・・。
何より、あんなに大切に想っていたななせを振るとはね。
流人の言葉じゃないけど、ななせにも夢を与えるだけ与えて・・・。
美羽の「コノハって、女の子を傷つける名人ね」という言葉が
心葉のことを的確に表していて思わず笑ってしまった。

ななせは初めはツンデレのテンプレキャラという印象が強かったけど
様々な事を乗り越え、心葉の彼女として輝いていました。
第一印象はななせの方が好みだったし、自分は何よりツンデレ好き。
ななせを全面的に応援したかったのですが・・・
はっきり言って惚れた相手とライバルが悪すぎた、としか。
ななせに魅力が無いということは決して無いし
今でも遠子先輩に続いて作中で好きなキャラではあるんですが
それ以上に遠子先輩というキャラが心葉にとって
この物語にとって大きすぎる存在だったんですよ。

このシリーズは心葉の成長物語であり
“文学少女”のひたむきな愛に触れる物語でもあります。
つまりは初めから2人の物語だったわけで。
その舞台にかり出されたななせは不憫というか何というか・・・。
かといってななせがいらない子とかそういうわけでなく。
心葉を美羽のことから立ち直らせるのに遠子先輩が必要だったけど
ななせ(や芥川)の存在も必須だったと思うのですよ。
それにななせとの恋愛が確実に心葉を成長させたと思うし。
人はそれを悪い言い方をすれば“かませ犬”というので
ななせは本当にごめんなさいとしか言いようがないです。

感情移入して物語を読み進めるタイプの自分としても
遠子先輩以外の選択は無かったんだと思ってしまいます。
遠子先輩の愛以上の愛はまさに「狭き門」ですね。
その愛を受け取り、狭き門をくぐることを選択した時に
心葉は本当に成長したんだな、と感慨深くなりました。

エピローグに関してはちょうど良いさじ加減かな。
遠子先輩担当と作家心葉のコンビの物語も見てみたいけど。
それに限らず、芥川君と美羽はどういう関係になったのか
麻貴先輩と流人と千愛の関係はどうなっているのか、とか。
インタビュー見るとその後の構想とかも頭の中にはあるみたいですけど。
商業的にもここで終わらせるのは勿体ない気がするんですよねぇ。
綺麗に終わったからこそ良かった、というのもあるんですが。

その商業的に限らず展開が期待できるのが「プロジェクト・メモワール」。
現時点ではなんとも言えないと思いますが、
短編や画集だけのためにわざわざ特設サイトを立ち上げるかなぁ?
真っ先に思い浮かぶのはドラマCD化、アニメ化という言葉。
でも小説という媒体でこそ活かされる物語だと思うし
遠子先輩に誰が声を当ててもきっと満足できないので複雑な気分です。
まだまだ“文学少女”の世界は終わらないのは素直に嬉しいんですけどね。
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